ヒトフェロモン基礎知識
フェロモンには、細かく分けると「リリーサーフェロモン」と「プライマーフェロモン」の二つがあります。
リリーサーフェロモン
リリーサーフェロモンは、 主に臭腺* から発せられ、 同種の他個体に直接的に影響を与えて特異な行動を引き起こす物質です。細かく分けると以下のように分類することができます。
- * 臭腺とは
- 動物のもつ、強いにおいの液を分泌する腺。スカンクの肛門腺、シカの眼下腺などがあります。嗅覚が退化した人間には存在していないと考えられていますが、その名残りが腋の下にあるアポクリン汗腺とも言われています。
- 性フェロモン
フェロモンといってまず思いつくのが、こちらです。成熟して交尾が可能なことを他の個体に知らせるために働きます。また、周りはそれを感じ取ることで男性を探し当てたり、女性に惹かれたりします。フェロモン香水に配合されているフェロモンです。
- 道標フェロモン
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餌の在り処など目的地から巣までの距離にフェロモンを残し、その後を他の個体にたどらせます。アリの行列や蜂の8の字ダンスなどはこれにあたると言えるでしょう。
- 警報フェロモン
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外敵の存在を仲間に知らせます。スズメバチの巣に近づいた人が大群に襲われてしまうという現象は、この警告フェロモンが関係しています。
- 性周期同調フェロモン
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ヒトではじめて発見されたフェロモン。腋下部から分泌される無臭のフェロモンで、それを嗅ぐことにより、月経の周期に変化を与えます。寮などで共同生活を送る女性の月経周期が同調してくるのは、このフェロモンに関係があると言われています。
プライマーフェロモン
プライマーフェロモンは、ハチやアリなどの階級社会を持つ昆虫に見られるもので、代表的なものとして女王バチが自身の存在を他の働きバチに認知させるために出す階級分化フェロモンがあげられます。
- 階級分化フェロモン
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ハチやアリなど社会性昆虫は階級分化物質や女王物質と言われるものによって、階級社会の形成と維持をしています。女王バチがその座を守るために分泌し、他の雌バチ(働きバチ)の生殖能力をなくす働きをします。もし、女王が死んだ場合、この物質の供給が途絶えるので、働き蜂や幼虫の中から生殖能力のあるものが現れ、新たな女王となります。
フェロモンを豊富に含む動物性香料
今までフェロモン香水というと、ムスク(ジャコウジカの性的分泌液)などの動物性フェロモンを配合したものがほとんどでした。かつて中世のヨーロッパでは、これらの動物性フェロモンを媚薬として身にまとうことで自らのフェロモン濃度を高め、舞踏会などに出かけていたということは有名な話です。
しかし、これら動物性のフェロモンがヒトに作用するという科学的根拠はなく、デービッド・バーライナー博士は、オスとメスのハムスターから分泌される性フェロモンを使った研究を行った結果、ヒトには効果がないことを発見しました。今現在、ジャコウジカのフェロモンはジャコウジカにのみ効果をもたらし、ヒトにはヒトのフェロモンしか作用しないことが分かっています。
- ムスク
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ジャコウジカの雄の生殖腺嚢で生成される、赤い脂質状の分泌物。そのままだと臭気を放ちますが、薄めることで芳香にかわります。今現在、ワシントン条約でこの鹿の捕獲は禁止されており、ほとんどが合成のものです。
- アンバー
マッコウクジラの腸管内でつくられる、灰色がかった蝋様の物質。日光や海水や空気の作用で芳香に変わります。けむるような甘い香りで、ヨーロッパで特に好まれています。
- カストリウム
ロシアやカナダに生息するビーバーが肛門近くから出す、縄張りをマーキングするための物質です。長く漬け込んだラム酒様で、やや焦げたカラメルのような甘い香りがします。
- ブタのフェロモン
高級食材で知られるトリュフを掘り起こすのに、かつて雌ブタが使われていたことは有名です。トリュフには雄ブタの持つフェロモンと同じ成分が含まれており、トリュフの匂いを嗅ぎつけ興奮した雌ブタが掘り返します。しかし、雌ブタが食べてしまうことも多いため、最近では犬を訓練して用いるようになってきています。
- シヴェット
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シヴェットは、ジャコウネコの肛門近くの香腺から出るペースト状の分泌液です。甘く動物的で魅惑的な香りがするため、古来恋のシーンに密かに活躍してきた香りと言われています。

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